札幌高等裁判所 昭和28年(う)120号・昭28年(う)119号・昭28年(う)122号・昭28年(う)121号 判決
原判決挙示の証拠によると被告人誉田正雄は本件の窃盗行為を自ら実行していないことは所論のとおりである。しかし相被告人木村豊の原審公判における供述、同被告人の検察官に対する供述調書によると、被告人誉田は本件窃盗行為を実行した他の相被告人から本件窃盗の企を聞きその求めに応じて犯行に使用された自動車の雇入のあつせんをなしたのみならず、すゝんで自己の代りの者を犯行現場に行かせようと申出たこと、盗品を売却した代金の分配を受けていたことがみとめられ、これらの事実を合せ考えると、同被告人は他の相被告人の実行行為を通じて自己の犯意を実現したものというべく、原判決が被告人誉田を共同正犯と認めたのは正当であつて、事実の誤認、法律適用の誤はなく論旨は理由がない。